尿酸値

最近テレビでプリン体OFFのビールや発泡酒のCMをよく見かけます。
体に気を使うつもりでそれを買っても、美味しくてついつい何本も飲んでしまうという経験がある方もいらっしゃると思います。

そもそもプリン体とは何なのでしょうか?
プリン体は体の代謝によって生まれる老廃物です。
細胞が代謝されてプリン体になり、プリン体がさらに代謝されると尿酸になります。
通常、尿酸は食事として摂取したものから約20%、体の細胞からの代謝で約80%が作り出されます。
そして、汗や便として約30%、尿中に約70%排泄されます。

尿酸が多いと何がいけないのでしょうか?
人の体にはプールのように尿酸を貯めていられる総量があり(約1200mg)、それを尿酸プールと呼びます。
そして、貯めておける以上の尿酸があり、プールから水が溢れるような状態(尿酸値:7.0mg/dl以上)を高尿酸血症と呼びます。
高尿酸血症が続くと体の中で溶けきらなくなった尿酸が結晶化して痛風発作や腎障害・尿路結石などの病気の原因になる場合があります。
また寒い時期になると、寒さによる血行不良で痛風発作が起こりやすくなります。

プロムナード便り3月編(尿酸値)1

そこで尿酸値を上げないよう食生活で気をつけるべき3つのポイントを紹介したいと思います。

 

1. プリン体の摂り過ぎに気をつける

プリン体はほとんどの食事に入っているので、プリン体ばかり気をつけて栄養バランスが悪くなっても他の病気の原因になってしまいます。
1日のプリン体の摂取量を400mg目安に、バランスの良い食事を心がけて下さい。

プリン体の多い食品(100g当たりの含有量)
鶏レバー(312mg)、イサキ白子(305 mg)、真イワシの干物(305mg)、
かつお(211mg) など
 
プリン体の少ない食品(100g当たりの含有量)
ホウレンソウの葉(51mg)、板かまぼこ(26mg)、うどん(15mg) など

 

 

2. アルコール摂取量と頻度を控える

最近はビールでも糖質ゼロやプリン体ゼロをうたった商品も多く、プリン体の入っていないアルコールを飲まなければ大丈夫だと思われがちですがそれは大きな間違いです。
アルコールには以下のような作用があります。
 
1:アルコール自体が尿酸を増やす働きがある。
2:アルコールの分解で生じる乳酸が尿酸の排泄を遅らせる。
3:アルコールの利尿作用で尿酸が濃縮する。
 
 アルコールを摂取するとこの3つの作用によって尿酸値が上がってしまいますので、適度な飲酒を心がけて下さい。
 
アルコールの1日適正摂取量
ビール(中瓶1本)、焼酎(0.5合)、ワイン(グラス2杯)、
日本酒(1合)、ウィスキー(ダブル1杯)

 

 

3. 水分を多めに摂る
  尿をアルカリ化する食品を摂る

水分をたくさん摂り、尿量を増やすことで尿酸がスムーズに排泄されます。
また、尿酸は酸性のものに溶けにくい性質をもっているので、尿をアルカリ化することで溶けて排泄されやすくなります。それにより腎障害や尿路結石の予防にもなります。

1日の水分摂取の目安
2リットル
 
尿をアルカリ化する食品
ひじき、わかめ、昆布、しいたけ、大豆、バナナ、メロン など

 プロムナード便り3月編(尿酸値)2

特に健康診断で尿酸値が高いと言われたことのある方は是非気をつけてみて下さい。